そのモノマネは危険? 小・中学生が手本にすべき打者は?
- 4 日前
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■手本にすべきは近藤健介選手 体の使い方にヒント
SNSの普及によって、今はプロ野球選手のプレーや練習が手軽に見られるようになりました。野球が上手くなる教材が豊富な一方、情報は玉石混交です。中には、あまり参考にしてほしくない理論や動画も少なくありません。
プロ野球選手の打撃フォームを見ると、それぞれに個性があって、全く違う打ち方に感じるかもしれません。しかし、安定して結果を残している打者には、打撃フォームに共通点があります。バットの芯で捉える確率を高めたり、打球を遠くに飛ばしたりするポイントがあるわけです。
昔から、モノマネは上達への手段と言われています。それは一理ありますが、個々の選手に合った見本を選ばないと思ったような結果は得られません。例えば、まだ成長期で体ができていない小・中学生が大谷翔平選手の打ち方をまねしても、逆効果になってしまう可能性が高いです。
私が小・中学生に手本としてほしい選手は、ソフトバンクの近藤健介選手です。近藤選手は身長171センチと決して体が大きくありません。それでも、2023年には最多本塁打のタイトルを獲得し、ここ数年は長打率5割前後を維持するなど、確実性に加えて長打力も兼ね備えています。
あの体格で飛距離を出せるのは、体の使い方や力の伝え方に長けているからです。タイミングを合わせるのも上手いです。投手や球種への対応力が高く、タイミングを外されてもファウルにできるため三振が少なく、安打の確率を高められます。

■ドリルは「あえて大げさな動き」 “誤解”に注意
どんなにスイングスピードが速くても、パワーがあっても、タイミングを外されたら安打の確率は大幅に下がります。YouTubeやInstagramには様々な打撃ドリルがアップされていますが、タイミングを合わせるのが前提になっています。「打撃はタイミングが全て」と言えるくらい重要だと私は考えています。
小・中学生には、まねをしてほしくない選手もいます。例えば、ヤンキースのアーロン・ジャッジ選手です。ジャッジ選手が取り入れている打撃ドリルの動画は、日本の子どもたちや保護者も見ている人が多いと思います。動画を見よう見まねでやっている小・中学生を見かけることがあります。
動画では、後ろ足に極端に体重が残った形でジャッジ選手がドリルを繰り返しているシーンが出てきます。注意すべきなのは、「あくまでもドリル」という点です。ドリルには、無意識に理想的な体の動かし方を身に付ける目的があります。クセを付けるために、あえて大げさな形で練習するわけです。試合とは打撃フォームが異なります。
その点を理解せず、ドリルの形で試合に入ってしまうと結果を出すのは難しくなります。ドリルでは後ろ足に体重を残しているジャッジ選手も、試合では踏み込む足にしっかりと体重移動しています。一流選手の一部分だけを見てまねをするのは、練習時間に見合う成果を得られない可能性が高いです。ジャッジ選手は身長が2メートルを超え、体重は130キロ近くあります。小・中学生が参考にするには、違いが大きすぎる選手です。
■高校2年生まで両投げ 松井稼頭央さんに憧れて
私は子どもの頃、憧れていたプロ野球選手がいました。メジャーリーグでもプレーした松井稼頭央さんです。打ち方のまねはしませんでしたが、スナップスローの強さやスピード感のある動きにかっこよさを感じました。今でも、松井さんの現役時代の守備を動画で見ると、思わずうなってしまいます。
私は左投げですが、高校2年生までは両投げの選手でした。中学生の時は投手や外野手では左投げ、ショートを守る時は右投げ。右投げの練習をしたのは、松井さんのようになりたくて、ショートを守りたかったからです。プロ野球選手には、子どもたちの向上心や好奇心をかき立てる力がありますよね。今の小・中学生にも、プロのプレーからモチベーションやパフォーマンスアップのヒントをつかんでもらいたいです。


