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- 「初球から振れ!」の指示に効果は? 好打者に共通する技術
写真はイメージ ■「振らない」ではなく「振れない」 初球スイングは技術 初球から振れ!――野球チームの指導者から、よく聞く言葉の1つです。お子さんがチームに所属している保護者の方々も、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか? 野球経験がない人や経験が浅い人にとっては、初球の甘い球を見逃す打者に対して「バットを振れと言われているのに、なぜ振らないのか?」と不思議に思うかもしれません。しかし、初球やファーストストライクをスイングするのは技術が必要です。 私は、現役時代も指導者になってからも幅広いカテゴリーの選手を見てきました。その中で、好打者の条件や共通点の1つと考えているのが、「初球をスイングできるかどうか」です。 初球からバットを振るには、投球にタイミングを合わせなければいけません。初対戦またはほとんど対戦経験がない投手に対し、1球目からタイミングを合わせるのは、かなり高い技術が求められます。特に球の軌道は打席に立たないと分からない部分があります。 打者は形を崩されると、バットを強く振れないと本能的に判断してスイングをやめます。このままスイングしても安打の確率が低いと分かるためです。初球を「振らない」のではなく、「振れない」のです。 野球塾では選手に合ったドリルやトレーニングを解説 ■要因はメンタルではない 指導者の怒りは逆効果 初球を見逃さずにスイングするには、タイミングやバランスが大事です。バットが出ないのはメンタルが要因ではありません。そのため、指導者が「初球からバットを振れ!」と怒っても問題は解決しません。選手がバットを振れない理由に目を向けて、課題を解決する練習をする必要があります。 プロ野球を見ていると、各打者が初球からフルスイングしています。初球を振ってファウルになるのは、バットを強く振ることができている証です。まさに、理想の打撃と言えます。 私は現役時代、どちらかというと、タイミングを取るのが苦手でした。初球からバットを振れない選手の気持ちは、よく分かります。早いカウントからスイングできるかどうかは、調子のバロメーターでした。初球からフルスイングできる時は調子がよく、調子が悪いとストライクゾーンにきても見逃してしまいました。 ファーストストライクをフルスイングできるかどうかは、打力や調子の目安となります。それだけ、タイミングを取る技術や打席での感覚が求められます。タイミングは打撃において、最も重要な要素だと私は考えています。極端な表現をすれば、打撃の形が悪くても、タイミングさえ上手く取れれば安打になります。それくらい大事であり、難しいのがタイミングです。 初球を振らなかった結果を批判するのは簡単です。そうではなく、指導者や保護者の方々には、「振れなかった」原因を選手と一緒に考えてもらえたらと思います。
- 相棒は懐中電灯 早朝の“白球”に恐怖… 亜大野球部1年の任務
亜細亜大学時代の水本 ■暗闇の中をボール探し 大学1年生には役割 野球に限らないと思いますが、部活に所属していると下級生にはグラウンド内外で役割があります。私が卒業した亜細亜大学では、1年生に担当がありました。例えば、練習後にボールをノック用やティー打撃用などに仕分けしたり、打撃マシンのメンテナンスをしたりする係がありました。 私は毎日の練習後に回収し忘れたボールがないか確認する係でした。先輩たち全員が練習を終えたら、グラウンドの中や外をくまなく見回る仕事です。 練習が終了するのは夕方か夜なので、グラウンドの周りは真っ暗です。私は同じ係の同級生と一緒に、懐中電灯を手にしてボールが落ちていないか探しました。 草むらの中やネット際など、見落としがないように丁寧に見回りをします。しかし、汚れているボールは暗闇に紛れることもあって、見つけられない時があります。 野球塾の指導前にウォーミングアップ ■部屋の掃除やゴミ出し 寮生活にも1年生の担当 当時チームを指揮していた生田勉監督は毎朝、グラウンドの周りをランニングする習慣がありました。その時、生田監督は回収されていないボールを見つけると、グラウンドに投げ入れていました。練習後、グラウンドにボールが落ちていることはあり得ません。翌日の朝練でグラウンド内にボールがあるのは、生田監督からの無言のメッセージなわけです。 朝練が始まる時、グラウンド内で白っぽい球体を発見すると、選手たちに焦りが広がります。特に慌てるのが2年生です。2年生は1年生を教育する役割があり、1年生のミスを上級生やコーチから指摘されて改善を求められます。ミスを繰り返したり、気の緩みからミスをしたりした場合はペナルティが課されます。 寮生活でも、1年生には役割がありました。亜細亜大学野球部の寮は、1年生から4年生まで各学年1人ずつの4人部屋でした。1年生は、部屋のゴミ出しや掃除を担当します。それから、一番早く起きて、先輩たちに声をかけます。全員が目覚ましをかけていますが、1年生が寝坊すると、部屋にいる全員が寝過ごしてしまうリスクがあるので、重要な任務です。 ■朝練は午前6時スタート 寝坊は4年間で一度だけ 朝練は午前6時スタートで、5時半頃にグラウンドへ出ます。点呼を取るので、寝坊で不在の選手はすぐに分かってしまいます。私が在学中に寝坊したのは一度だけでした。チームで最も少ないくらいです。 部活の係や寮生活の厳しさは、今思うと特殊だったと感じます。亜細亜大学は練習も含めて「日本一過酷」とも言われています。練習中もグラウンドを離れても、想像を絶するプレッシャーです。ただ、当時は当たり前だと思っていました。毎日のことなので、慣れていく部分もあります。野球の技術だけではなく、学びの多い4年間でした。あの頃には戻りたくありませんが(笑)。
- そのモノマネは危険? 小・中学生が手本にすべき打者は?
中学生を対象にした出張授業 ■手本にすべきは近藤健介選手 体の使い方にヒント SNSの普及によって、今はプロ野球選手のプレーや練習が手軽に見られるようになりました。野球が上手くなる教材が豊富な一方、情報は玉石混交です。中には、あまり参考にしてほしくない理論や動画も少なくありません。 プロ野球選手の打撃フォームを見ると、それぞれに個性があって、全く違う打ち方に感じるかもしれません。しかし、安定して結果を残している打者には、打撃フォームに共通点があります。バットの芯で捉える確率を高めたり、打球を遠くに飛ばしたりするポイントがあるわけです。 昔から、モノマネは上達への手段と言われています。それは一理ありますが、個々の選手に合った見本を選ばないと思ったような結果は得られません。例えば、まだ成長期で体ができていない小・中学生が大谷翔平選手の打ち方をまねしても、逆効果になってしまう可能性が高いです。 私が小・中学生に手本としてほしい選手は、ソフトバンクの近藤健介選手です。近藤選手は身長171センチと決して体が大きくありません。それでも、2023年には最多本塁打のタイトルを獲得し、ここ数年は長打率5割前後を維持するなど、確実性に加えて長打力も兼ね備えています。 あの体格で飛距離を出せるのは、体の使い方や力の伝え方に長けているからです。タイミングを合わせるのも上手いです。投手や球種への対応力が高く、タイミングを外されてもファウルにできるため三振が少なく、安打の確率を高められます。 打撃を向上させたい小・中学生にもおすすめ「ニュートンバット」 ■ドリルは「あえて大げさな動き」 “誤解”に注意 どんなにスイングスピードが速くても、パワーがあっても、タイミングを外されたら安打の確率は大幅に下がります。YouTubeやInstagramには様々な打撃ドリルがアップされていますが、タイミングを合わせるのが前提になっています。「打撃はタイミングが全て」と言えるくらい重要だと私は考えています。 小・中学生には、まねをしてほしくない選手もいます。例えば、ヤンキースのアーロン・ジャッジ選手です。ジャッジ選手が取り入れている打撃ドリルの動画は、日本の子どもたちや保護者も見ている人が多いと思います。動画を見よう見まねでやっている小・中学生を見かけることがあります。 動画では、後ろ足に極端に体重が残った形でジャッジ選手がドリルを繰り返しているシーンが出てきます。注意すべきなのは、「あくまでもドリル」という点です。ドリルには、無意識に理想的な体の動かし方を身に付ける目的があります。クセを付けるために、あえて大げさな形で練習するわけです。試合とは打撃フォームが異なります。 その点を理解せず、ドリルの形で試合に入ってしまうと結果を出すのは難しくなります。ドリルでは後ろ足に体重を残しているジャッジ選手も、試合では踏み込む足にしっかりと体重移動しています。一流選手の一部分だけを見てまねをするのは、練習時間に見合う成果を得られない可能性が高いです。ジャッジ選手は身長が2メートルを超え、体重は130キロ近くあります。小・中学生が参考にするには、違いが大きすぎる選手です。 ■高校2年生まで両投げ 松井稼頭央さんに憧れて 私は子どもの頃、憧れていたプロ野球選手がいました。メジャーリーグでもプレーした松井稼頭央さんです。打ち方のまねはしませんでしたが、スナップスローの強さやスピード感のある動きにかっこよさを感じました。今でも、松井さんの現役時代の守備を動画で見ると、思わずうなってしまいます。 私は左投げですが、高校2年生までは両投げの選手でした。中学生の時は投手や外野手では左投げ、ショートを守る時は右投げ。右投げの練習をしたのは、松井さんのようになりたくて、ショートを守りたかったからです。プロ野球選手には、子どもたちの向上心や好奇心をかき立てる力がありますよね。今の小・中学生にも、プロのプレーからモチベーションやパフォーマンスアップのヒントをつかんでもらいたいです。
- 打球はバットで変わる 新ニュートンバットは“音”が進化
リニューアルした「ニュートンバット」は音が進化 ■イメージや感覚と合うバット模索 様々なタイプを比較 野球と他のスポーツの大きな違いの1つは、「道具」です。もちろんパワーやスピードは選手の武器になりますが、バットやグラブといった道具を上手く使えなければパフォーマンスを発揮できません。そこに野球の難しさがあり、同時におもしろさがあると思っています。体が小さくてもバットやボールを自在に操り、無駄なく力を伝えられる選手は活躍できます。 高校生まではグリップが太めで、打った時の音が心地良いものを選ぶくらいでした。バットにはトレンドがあり、私たちの時代はSSKのスカイビート31というバットをどの高校も使っていた記憶があります。私はミズノのVコングが好みでした。 私は打撃で勝負する選手だったので、大学や社会人では重心の位置やグリップの形、素材や色などタイプが異なるバットを比較しました。大学に入ってからは一通りのバットを試し、それぞれ感覚が異なると気付きました。高校生の時に使っていたのは、バットの先端に重心があるトップバランスでした。トップに重さがあるバットはヘッドが遅れてくる感覚があり、自分がイメージする打撃と合っていました。 ところが、ヘッドが遅れた分だけ、今度はバットを返す力が必要になります。私は返す力が弱かったので、柔らかい打撃はできても、力強さに欠ける課題を感じていました。大学では、ヘッドの重さを感じながらも、もう少し重心がグリップ寄りのバットの方が自分には適していると考えてカウンターバランスに変更しました。 ■社会人では色にもこだわり 白木の単色がフィット グリップもタイカップに変えました。手首を柔らかく使い過ぎていると感じたためです。タイカップは手首が固まって強さを出しやすく、感覚が良くなりました。 社会人になってからは、バットの色も比べました。一色だけのもの、グリップだけ色が違うもの、先端に向かって色が濃くなるものなど、様々なバットを試しました。結果的に決めたのは、白木の単色です。バットの先に色が付いているとヘッドを意識しやすいメリットがありましたが、その意識が強くなり過ぎてヘッドが遅れる感覚があったためです。 バットの重さを生かしてスイングしたり、力を無駄なくバットに伝えたりするには、ヘッドを使う感覚が不可欠です。カテゴリーが上にいくほど、ヘッドを使う感覚は大前提で、その他の部分に意識を向ける必要性が高まります。 新バージョンの「ニュートンバット」は3色展開 ■“音”を改良 「ニュートンバット」新バージョン 私は現在、小・中学生を中心に指導する野球塾を運営しています。体が小さくても打球を遠くに飛ばせる選手は、ヘッドの重さを上手く使ったスイングができています。ヘッドを利かせる感覚は、説明されても理解するのが難しい選手が少なくありません。そこで、私たちはバットの開発も手掛けています。 「Newton(ニュートン)」と名付けたバットは、先端に砂が入っています。ヘッドを使ってスイングできると、砂が動いて音が鳴る構造になっています。バットを振ると、理想的なスイングになっているか自分で確かめられるわけです。トレーニング用ですが、素振りだけではなく、実際にボールを打つこともできるバットです。 「Newton」は発売からご好評いただき、欠品が続く時期もありました。4月からはリニューアルした新しいバージョンの販売を始めました。砂の量を減らしてバット自体を軽くし、より試合で使うバットの重さに近づけました。 砂の量は減っているにもかかわらず、音は分かりやすくなる工夫も凝らしました。ビーズを入れたタイプに一新し、音が周囲の人にも聞こえる大きさになっています。バットを使う人だけではなく、保護者や指導者も音を確認できます。 色は「惑星(Newton)」をイメージした3色展開です。バットを振る意欲が高まる色合いに仕上げました。個人的には、ビーナスグリーンが気に入っています。個人でもチームでも、活用していただければと思います。
- 「仕掛け」が象徴 3季ぶり甲子園で優勝 大阪桐蔭に感じた変化と課題
大阪桐蔭の優勝で幕を閉じたセンバツ ■春夏合わせて10回目の日本一 打線には物足りなさ 選抜高校野球大会は大阪桐蔭が優勝しました。春夏合わせて10回目の甲子園優勝です。去年は春夏ともに甲子園出場を逃し、OBとして寂しさもあっただけに喜びも大きいです。 今大会は圧倒的な強さというより、接戦をものにする粘り強さが印象的でした。あえて辛口に評価すると、打線に物足りなさを感じました。春先なので、寒さや実戦不足など、これから伸びていく部分はあると思います。そうした点を考慮した上で、スイングの力強さや迫力を感じませんでした。 強い時の大阪桐蔭は3点、4点取られても、いつでも取り返せる雰囲気があります。今回は相手に先制されると、かなり苦しくなる印象を受けました。体つきも全体的に、まだ線が細いです。 それでも、日本一になったのは明るい材料です。1点差ゲームに競り勝ち、敗戦を覚悟する試合展開でも勝ちを拾っていました。勝負強さに期待を感じさせました。追い込まれた経験をすると、次の試合で先制されても慌てることがなくなります。チーム力を上げるには、苦しい試合を経験した方が良いと思っています。 ■SNS発信を西谷監督が参考に? 「仕掛け」が復活 今大会で大阪桐蔭の攻撃に感じた変化もありました。それは、「仕掛け」です。初戦から、エンドランを積極的に使っていました。ここ数年、大阪桐蔭は走者を動かす攻撃が極端に減ったと感じていました。そして、私はXやYouTubeで度々、「もっとエンドランを使った方が良い」と発信していました。「発信した内容を西谷先生が参考にしたのかな」と思うくらい、今春のセンバツでは動いていましたね。上手くいかなくても、何度も何度も仕掛けていました。 打力が強くないチームは、連打で得点できる確率が高くありません。エンドランを使えば、内野ゴロが安打になる可能性もあります。二遊間の選手がベースに入るために一歩、二歩動いたり、体重移動したりしただけで、安打のゾーンは広がります。エンドランのサインが出ると、打者はどんな球でもスイングするため、迷わずにバットを振れる利点もあります。 積極的に仕掛けることで、相手チームに考えさせる効果もあります。試合序盤にエンドランをかけると、当然ながらバッテリーは警戒します。その結果、制球を乱したり、配球に偏りが出たり、様々な形でプレッシャーをかけられるわけです。エンドランは成功すればチャンスが拡大し、相手にイメージを植え付けるだけでも優位に立てます。 ただ、大阪桐蔭打線のエンドランは現状では、まだまだ精度を上げていく必要があります。エンドランで避けなければいけないのは空振りとセンターラインへの打球です。今大会では、この2つが目立ちました。そこは、選手たちも認識しているはずです。私たちの頃から、チームでは普段からエンドランの練習を繰り返していました。甲子園で見えた課題を今後、改善していくと思います。 春のセンバツでベスト4入りしたチーム ■川本投手ら投手陣に強み 夏につながるセンバツ優勝 投手陣は全体的に球が強いと感じました。中でも、背番号10の2年生左腕・川本晴大投手の球は簡単には打てないと思います。まだ粗さはありますが、身長190センチを超える長身は大きな武器です。私も高校時代、チームメートの藤浪晋太郎投手や花巻東の大谷翔平投手相手に打席に立った経験があります。相手投手の身長が高いとマウンドまでの距離が近く感じ、覆いかぶさってくるような感覚になります。同じ150キロの球速でも、打撃マシンとは全く違います。 川本投手は、140キロ台の力のあるストレートに110キロ前後の落差の大きなカーブやスライダーを組み合わせる投球です。左打者は特に内角にストレートを見せられると、変化球に対応するのは難しくなります。 私たちが甲子園で春夏連覇を成し遂げた時、実はセンバツで苦戦続きでした。5試合中、3試合が逆転勝ち。残りの2試合も先制したものの、一度は追い付かれています。9回まで負けていた試合もありました。 優勝できるとは想像していなかった中、結果的に勝ち上がったことでチームに自信が生まれました。全体的に調子が上がっていなかったので、普段通りに戦えれば全国の舞台でも十分勝負できると前向きになれました。 今年の大阪桐蔭は3季ぶりの甲子園とあって、自分たちの力に半信半疑だったはずです。その中で、日本一になれたことは、夏にもつながっていくと思います。 今春のセンバツは弊社Ring Matchとしても盛り上がりました。私は大阪桐蔭出身で、執行役員の小林は中京大中京出身です。中京大中京は準決勝で智弁学園に1点差で敗れて決勝での対決は実現しませんでしたが、今夏は両校の対決も期待したいです。
- 野球と福祉をつなぐ新たな挑戦 就労支援事業所「えんどらん」プレーボール
石川県に開所した就労継続支援B型事業所「えんどらん」 ■地元・石川県に開所 就労継続支援B型事業所「えんどらん」 新聞の報道などでご存じの方がいらっしゃるかもしれませんが、2月から新たな事業をスタートしました。私の地元・石川県の小松市に就労継続支援B型事業所「えんどらん」を開設しました。Ring Matchとして初めての福祉事業です。 就労継続支援B型は、一般企業で雇用契約を結んで働くことが難しい人を対象にした福祉サービスです。事業所では、障害や難病のある人たちが就労に必要な知識や能力を向上させる訓練を受けられます。 私は元々、福祉に特別な関心があったわけではありません。Ring Matchでは野球経験者に特化した人材紹介、野球塾の運営、バットの開発・販売と、野球に深く関わる事業を展開してきました。 「えんどらん」を開設したきっかけは、大阪市にある就労継続支援事業所を知ったことでした。そこで働いている野球経験のある職員の方から話を伺うと、利用者の方と野球が共通の話題になって、交流が深まっているとのことでした。 また、その事業所は軟式野球チームを持っていて、全国大会には事業所の利用者の皆さんが応援に行っているそうです。選手のユニホーム修繕を利用者の方に依頼するなど、野球と関連した仕事も生み出していました。 野球塾から3キロの距離にある「えんどらん」 ■事業所は野球塾から3キロ 野球関連の仕事を創出 私は福祉と野球の相性の良さや野球が福祉にも貢献できる道を知り、1年前から事業所の設立を目指して本格的に動き出しました。事業所の場所探し、スタッフの採用、自治体への許可申請など、やるべきことは多岐にわたりました。未経験の分野で苦労はありましたが、周りの方々の支援や応援を受けて、「えんどらん」のスタートを切れました。 事業所の場所は、今年1月にオープンした野球塾から3キロほどの距離にあります。野球塾の近くに構えることで、一般的な仕分けや梱包作業のほかに、練習場の清掃やネットの補修、練習で使うボールの手入れなど、野球塾に関連した仕事を事業所の利用者の方に依頼しやすくなります。 それから、利用者の皆さんに野球塾の子どもたちを身近に感じてもらいたい意図もあります。成果が目に見えにくい作業よりも、自分たちの仕事が選手たちの成長を支えていると実感できた方が、働くモチベーションや責任感につながると考えています。選手たちにも、練習をサポートしてくれる人たちに感謝する気持ちが自然と芽生えると期待しています。 施設の利用者さんをスタッフが前に進める意味を込めた「えんどらん」 ■スタッフは打者、利用者さんが走者 えんどらんで前進サポート 野球の戦術にちなんで名付けた「えんどらん」には、打者となる私たちスタッフがサポートして、走者である利用者の方々を前進させる意味を込めています。両者が信頼関係を築いて、ともに成長していきたいと思っています。 開所から1カ月半ほどが経ち、事業に関わる近隣への挨拶回りや行政による見学など必要な準備を終えました。地域ごとにルールがあるのかもしれませんが、事業所と利用者さんは直接契約を結べません。相談員と呼ばれる自治体の担当者が事業所を見学して問題がないと判断してから、利用者さんを事業所に紹介する流れです。「えんどらん」は利用者さんを受け入れて問題ないと行政に認められ、今は利用を希望する方たちが見学に来ています。 野球と福祉は一見、つながりがありません。しかし、2つを結び付けることで新たな価値や役割が生まれ、それぞれの可能性が広がると信じています。
- 違いは“痛み” 軟式と硬式どちらを選ぶ? それぞれのメリットとデメリット
中学校で出張指導する水本 ■レベルの高い環境で成長 中学生から硬式のメリット 卒業の時期を迎えました。中学でも野球を続けようと考えている小学生6年生の中には、軟式と硬式どちらを選べば良いのか迷う人もいると思います。私たちが運営する野球塾に通っている選手や保護者からも相談を受けます。 私は現役時代、中学生から硬式をスタートしました。通っていた中学校に軟式野球部はありましたが、それほど熱量は高くありませんでした。私は中学卒業後、地元の石川県を離れて県外の強豪校で甲子園に出場する目標があったので、よりレベルの高い環境を求めて硬式野球のクラブチームに入りました。 中学生から硬式を始めるメリットは、いくつかあります。まずは、上手い選手と出会える確率の高さです。軟式と硬式、どちらに上手い選手が集まっているか比較すると、私は硬式だと感じています。向上心やモチベーションを高く持ち、野球の技術を高めていくにはレベルの高い環境に身を置くことが重要だと考えています。 もちろん、周りに流されず、自分を律して目標に向かっていける中学生もいます。ただ、自分より上手い選手を見て技術や練習法を吸収したり、競争心を持って練習に取り組んだりできる環境の方が、レベルアップしやすいと思います。 石川県小松市に開校した野球塾「Amazing」石川校 ■人脈や視野の広さ 野球以外の面にも意義 それから、硬式はクラブチームの数が少ないところもメリットと捉えています。私が中学生の頃、石川県内には硬式チームの数が限られていたので、愛知や滋賀、京都や大阪など練習試合で各地に遠征しました。お弁当や補食の準備、配車といった保護者の負担は大きくなりますが、県外のチームと対戦したことで交友関係が広がりました。人脈や視野が広くなるのは、野球以外の面でも意義があります。 他にも、硬式を勧める理由はボールへの慣れです。同じ野球とはいえ、軟式ボールと硬式ボールには大きな違いがあります。高校や大学、社会人やプロは硬式ボールなので、上のステージを見据える中学生は早い段階で硬式ボールに触れていた方がアドバンテージになります。 打撃面で硬式ボールと軟式ボールの大きな差は「痛さ」です。軟式と違って、硬式はバットの芯を外れると、手がしびれます。それから、体に当たった時の痛みは軟式と比較になりません。私は硬式を始めてすぐの時期に、フリー打撃で社会人野球経験者の投球が体に直撃しました。その痛みがトラウマになって、しばらく恐怖心が消えませんでした。 ■けがのリスクや恐怖心 軟式が合っているタイプも 小学校5、6年生で野球を始めた場合は、中学で軟式を選ぶ考え方も1つです。まだ経験が浅い段階で硬式の痛さや怖さを体験すると、野球自体が嫌になってしまう可能性があるためです。また、成長期が遅く、中学校入学時点で体が大きくない選手も軟式が良いかもしれません。軟式よりも重い硬式ボールは肩や肘への負担が大きくなるので、けがのリスクは高くなります。 軟式にも強豪チームがあります。私の地元では、当時から星稜中学が強かったです。そうした強いチームに入れば、硬式のクラブチームに引けを取らないくらいレベルの高い環境でプレーできると思います。チーム選びの正解は1つではありません。体格や野球経験、その先の目標など、自分に合ったチームを探してください。
- 3年間CかD…大阪桐蔭のクラス分け 社会人で後悔した「勉強の習慣」
■学習塾に通ったものの…勉強への興味や意欲が湧かず すでに進学先が決まっている人もいますが、中学生や高校生は受験勉強のラストスパートをかける時期です。今回のコラムは、現在の私の反省にもなっている「勉強」をテーマにお届けします。 私は小学校、中学校ともに地元の公立だったので、高校受験が初めての受験でした。大阪桐蔭を志望校にしたのは、中学3年生の夏頃です。それまでは、PL学園をはじめ、甲子園に出場できる石川県外の強豪校に入学したいという漠然としたビジョンしか描いていませんでした。 野球を武器に入学すると言っても、学力の基準を設ける高校は多いです。どんなに野球で突出した能力や実績があっても、勉強ができなければ受験で合格できないと周りからも聞いていたため、中学生の時は学習塾に通っていました。それから、高校側から声がかかっても、最後に推薦を出すのは中学校です。成績が原因で中学校から推薦を受けられなかった先輩も見てきたので、しっかりと勉強しないといけない意識を持っていました。 ただ、私の成績は良くなかったです。塾に通っていたものの、行くことが目的になってしまい、勉強量が足りていませんでした。野球と違って興味や向上心を欠いてモチベーションが上がらず、楽な道を選んでしまいました。知識を増やすために塾へ通っているのに、少し考えて分からないと隣の席の友人に回答を見せてもらったり、宿題も友人が解いたものを写したりすることが多々ありました。結果的に、要領の良さを学ぶ形になってしまいました。 母校の大阪桐蔭高校 ■“文武分業”の大阪桐蔭 3年間「勉強できないグループ」に在籍 定期テスト前は机に向かう時間をつくって、自分なりに勉強しました。しかし、長い時間座っているのが苦手でした。教科書やノートを読んでいても、文字を目で追っているだけで、勉強と関係ないことを考えていました。勉強の仕方が分かっていない典型だと思います。テストで良い点数を取りたかったという後悔はありませんが、勉強の習慣や仕方を身に付けるべきだったと反省しています。 私が高校を卒業してから10年以上経っているので、今の合格基準は分かりませんが、当時の大阪桐蔭は野球推薦であれば、基本的に全員が入学できました。実は、大阪桐蔭は進学校です。正確に表現すると、勉強を頑張る生徒と運動を頑張る生徒が役割分担する“文武分業”と言えます。 高校のカリキュラムはⅠ~Ⅲ類に分かれていて、Ⅰ類とⅡ類が東大や京大、国公立大学の医学部をはじめとする難関大学への進学を目指します。Ⅲ類は運動で全国トップレベルを狙うコースで、野球部やラグビー部などの生徒が所属します。 Ⅲ類の中でもA~Dまで学力に応じてクラス分けされます。野球部はAに入らず、B~Dのいずれかです。野球部の同級生では、藤浪晋太郎や平尾奎太ら4~5人がBでした。定期テストの結果などでクラスは定期的に入れ替わりましたが、私は3年間CかDでした。CとDに差はないと言われていたので、ずっと「勉強ができないグループ」にいたことになります。 野球漬けの生活を送った大阪桐蔭時代 ■社会人になって痛感 勉強する習慣の大切さ 大阪桐蔭の野球部は定期テスト前でも部活があります。それでも、普段より少しだけ練習が早く終わって、寮で食事を終えてから食堂に集まって勉強する時間が設けられました。学年ごとに固まってテスト勉強する時間でしたが、私は優先的に覚える内容を平尾に教えてもらいました。平尾は遠征で移動中のバスの中でも教科書を読むなど、隙間時間も活用している姿が記憶に残っています。藤浪も勉強ができるタイプでしたが、移動中は寝て体を休めて勉強する時は集中するというようにメリハリをつけていた印象です。 小・中学校以上に野球が生活の中心となった高校で勉強の習慣は身に付かず、成績は伸びませんでした。時には課題を提出して、不甲斐ない定期テストの結果を穴埋めすることもありました。 大阪桐蔭卒業後に進学した亜細亜大学には、野球推薦で入学しています。入試は筆記がなく、作文と面接のみでした。チームメートにも恵まれて野球で評価してもらい、高校も大学も入学できたことはありがたい限りでした。ただ、そこに甘えず、勉強の習慣は身に付けるべきでしたね。 経営者になった今、少しずつですが机に向かう時間をつくっています。自宅で何気なく過ごしている時もYouTubeで経営者の対談を流すなど、インプットの環境づくりを意識しています。2月23日に31歳になりましたが、学びに年齢制限はないと思っています。
- 地元・石川県に新たな野球塾 入会率の高さは「練習環境」と「指導力」
■石川県小松市に野球塾 開校前から110人の体験予約 1月5日に野球塾の新たな校舎を開校しました。場所は石川県小松市です。私が生まれ育った石川県に、念願だった野球塾を構えることができました。 名古屋校や岐阜校と同じように、小・中学生を対象としています。2つの校舎の口コミや、過去に石川県で野球イベントを開催した実績もあって、石川校には、オープン前から110人の体験予約が入りました。スタートして1カ月ほど経ちましたが、スクール生は75人まで増えています。 体験した子どもたちの入会率が高いのは、主に2つの理由があると考えています。1つ目は「練習環境」です。レッスンは少人数制のグループで、1コマ70分です。時間内にマシンやティーでボールを打つ量は、他の野球塾を大きく上回ります。例えばティー打撃では、指導者がボールをティー台にセットするので、スクール生は練習だけに集中できます。 バットを振っていない時は打力アップにつながるトレーニングをするため、休む時間はありません。せっかくレッスンに来た選手たちには、70分間をフル活用して体を動かしてもらっています。普段は所属チームで厳しい練習をしている選手たちも、レッスンが終わる時にはクタクタです。 1月に開校した石川校 ■ノウハウやドリル蓄積 クオリティの高い指導 もう1つの理由は、絶対の自信を持っている「指導力」です。私たちの野球塾では、一人ひとりの選手に合った指導や、ドリル・トレーニングの提案をしています。選手の動きからどこに課題があるのかを判断するノウハウを指導者間で共有しているため、私以外のスタッフが指導してもクオリティは変わりません。石川校のスタッフも全員がオープン前に名古屋校で研修し、子どもたちを見るポイントやドリルを学びました。 弊社では石川校のほかに、名古屋校と岐阜校の運営をしています。短期間で退会する選手は、ほとんどいません。大半が継続して2~3年通っています。昨年レッスンの枠を増やした名古屋校はすでに定員がいっぱいですし、岐阜校と石川校も受け入れられる人数がギリギリの状況です。 実は、私たちはスクール生を募集する広告をほとんど打っていません。入会の大半が口コミです。スクール生は短期間でスイングが明らかに変わり、試合で結果を出すと、「変化のワケ」を知ったチームメートが新たなスクール生となります。チーム内や近くのチームに評判が広がって、入会希望者が増えている形です。中には、体験レッスンだけでスイングが大幅に改善するケースもあります。 練習環境の良さもスクール生に人気の理由 ■移動を苦にさせない指導 片道2時間半かけるスクール生も 名古屋校には夏休みの期間、石川県から来ている選手もいました。岐阜校には、片道2時間半くらいかけて石川県から毎週通っている選手がいます。石川校は石川県在住者が中心ですが、福井県や富山県から来ている選手もいます。 私たちの野球塾は市街地から離れたところにあります。周囲の人からは「あの立地で、よく人が集まりますね?」と言われます。レッスン時間の約2倍の時間を移動にかけているスクール生は珍しくありません。 ただ、指導に価値を感じてもらえれば、場所や移動距離は大きな問題にはならないと考えています。そして、その価値に見合う指導、野球が上達する楽しさを子どもたちが実感できる指導を続けていくことが私たちの責任です。
- 開催前日に球場が停電 緊急事態の野球教室が生んだ一体感と笑顔
■昨年12月に開催 “電気ゼロ”からの野球教室 昨年12月、広島県三次市で野球教室を開催しました。スポンサー企業の方々や参加していただいたプロ野球選手や元選手の方々をはじめ、関係者の皆さまには大変お世話になりました。想定外の事態が起きる中、皆さまのご協力のおかげで子どもたちに喜んでもらえるイベントとなりました。ありがとうございます。 今回の野球教室には地元の小学生200人、現役のプロ野球選手と元プロ野球選手を合わせて8人招きました。また、スタンドを開放して、無料で観覧できるスタイルとしました。私はこれまで野球教室に度々携わってきましたが、今回ほどの大きな規模で主催するのは初めてでした。約1年かけて準備を進め、不備がないか確認を繰り返しました。 実は野球教室開催の前日、想像もしていなかった事態に直面しました。会場の野球場が停電になり、復旧のめどが立たないと球場側から連絡が入りました。電気がないままでは、野球教室を実施できません。 特に大きな問題はトイレです。電気が通っていなければトイレを流せません。スポンサーの中にイベント会社が入っていたので、急きょ仮設トイレの手配をお願いしました。仮設トイレが間に合わない可能性も考えて、携帯トイレも用意しました。 野球教室には地元の小学生200人が参加 ■参加者全員が団結 “過去最高”のクオリティ さらに、最低限の電気を使えるように大型のバッテリーを専門業者に発注しました。ただ、野球教室の運営を最優先したので、スポンサー企業の方々、選手や元選手の控室に準備していた暖房は使えませんでした。それでも、大量に購入したホッカイロを渡しながら謝罪すると、皆さんに「停電なんだから仕方ないですよ」、「体を動かせば温かくなるので気にしないでください」などと声をかけていただきました。 球場の停電は、電光掲示板を使った演出やキッチンカーの出店にも影響しました。予定通りにいかない点もあり、当日来場した方々にはご不便をおかけしましたが、野球教室自体は非常に盛り上がりました。私が今まで携わったイベントの中で、最もクオリティが高い内容となりました。これは、皆さんのご協力のおかげです。 野球教室では、子どもたちが憧れるプロの技術を選手と元選手の方々が披露しながらも、子どもの目線に合わせて丁寧に指導している姿が印象的でした。イベントの最後に設けたホームラン競争ではスタンドの観覧者もグラウンドに招いて、球場のボルテージは最高潮に達しました。 私にとっては初めての規模のイベントでプレッシャーもあり、停電のアクシデントにも見舞われましたが、参加した方々から感謝されて大きな達成感を得られました。「毎年開催してほしい」という声もいただきました。 野球教室は球場が停電する緊急事態を乗り越えて大成功 ■民間の力で地域活性化へ スポンサーに強い使命感 今回の野球教室は広島県北部に位置する三次市で開催しました。人口4万7000人ほどのまちで、他の地方と同じように若者の市外流出を課題としています。スポンサーに手を挙げていただいた企業からは野球への特別な思い入れ以上に、「民間の力で地域を活気づけたい」使命感や危機感が伝わってきました。 私が運営する会社「Ring Match」では、イベント開催を含めて野球に関連した事業を展開しています。起業した主な理由の1つには、野球を通じた地域貢献や活性化があります。同じ思いを持った人たちと今後も力を合わせていきたいと思っています。今回の縁も大切にしたいです。 球場の電気が使えないアクシデントからは、学びもありました。「子どもたちを喜ばせたい」、「地域を盛り上げたい」と共通のゴールを目指す関係者の団結力は驚くほどでしたし、想定外に対応するための引き出しも増えました。球場から停電の知らせを受けた時は開催できるのか不安でいっぱいでしたが、結果的には収穫の多いイベントとなりました。
- 人材紹介の内定者2倍 野球塾は満員 充実の2025年と2026年の戦略
■新卒採用の支援も開始 野球経験者の人材紹介事業は加速 あけましておめでとうございます。年末年始は1週間ほど休みを取って、頭、体、心をリフレッシュしました。2026年のスタートダッシュを切る準備は万全です。今年もよろしくお願いいたします。 今年最初のコラムは、2025年の振り返りと2026年の目標をお届けします。2025年は前年以上に、3つ全ての事業が加速した1年でした。一番の柱となる「野球経験者を対象にした人材紹介事業」は、求職者の登録も紹介先の企業数も増え、内定者は前年から倍増しました。戦力外通告を受けたプロ野球選手や、社会人野球を引退した選手のセカンドキャリアもサポートしました。 事業拡大の要因はいくつかあります。まず、弊社のサービスを通じて就職・転職した方や、人材を採用した企業の口コミで認知度が高まっている点です。ホームページなどからのお問い合わせや代理店からの紹介をきっかけに求職者と企業をマッチングさせるケースもありますが、実際にサービスを利用した方からの紹介や評判を聞いた方からの連絡が大幅に増えました。 それから、新卒採用の支援を始めたことも2025年の大きな収穫でした。人材事業の責任者を務める執行役員の小林が精力的に動いて、全国各地の大学と関係を築いています。 大学生は秋のリーグ戦まで野球を続けると、就職活動の時間を十分に確保できません。また、野球中心の生活の中で、どのように就職活動をすれば良いのか、どんな準備を進めれば良いのかなど、悩んでいる大学生も多いです。そこで、小林は直接的な就職支援だけではなく、2、3年生に向けても就職を含めた人生設計の相談を受けています。新卒の採用は2026年、強化していきたいポイントの1つです。 名古屋市の熱田神宮で初詣 ■野球塾は受け入れ人数拡大 1月に石川校オープン 2つ目の事業、野球塾も順調でした。名古屋校は定員いっぱいで新規受け入れを停止している状況でしたが、1レッスンあたりの人数を増やせたことで、より多くの小・中学生への指導が可能になりました。開校当初は各レッスンで最大5人だった枠は現在、8人まで拡大しています。これは、スタッフの指導レベルが上がり、選手の人数が増えても対応できるようになったためです。 私たちのレッスンでは選手たちが常にバットを振るか、トレーニングに取り組んでいます。1レッスンの枠が5人、6人だった時は、選手がバテてしまうケースがありました。8人に拡大して、ハードなメニューながらも、ギリギリやり抜ける状況になっています。スタッフが無駄な時間をつくらずに指導しているので、レッスンの人数が増えても、選手や保護者からの満足度も変わらず高いです。 2025年は岐阜校をスタートし、2026年は1月5日に石川校をオープンしました。岐阜校は右肩上がりで業績が伸びています。石川校はオープン前から100人以上の体験希望者が集まり、続々と入会者が増えています。私は起業した時、地元・石川県に野球で貢献したい思いを持っていました。野球塾の開校で、1つの形をつくれたところに喜びを感じています。 売行き好調なニュートンバット ■ニュートンバットも需要拡大 2026年は福祉の新事業 ニュートンバットの販売は前年より力を入れ、数字もついてきました。動画を使った広告が効果的でした。写真と文章よりも、動画の方がバットの特徴が伝わりやすかったようです。数字の伸び方を見ると、バットと動画の相性の良さを感じました。 ニュートンバットに似た機能を打ち出すトレーニングバットは、他のメーカーでも製造しています。ただ、実際にボールを打てるバットはほとんどありません。ニュートンバットは打撃投手のボールを打つことが可能ですし、軟式であればマシンのボールでも問題ありません。さらに、他社のバットよりも金額が安いところも支持されています。 2025年は事業のフェーズが変わり、拡大に向けて次のステージに入ったと感じる1年になりました。新しい展開が見えてきて、期待が高まっています。 2026年は新しく福祉分野の事業を始める予定です。現在、最終的な詰めの段階に入っているので、事業開始の際に詳しくお伝えします。他にも、今年は人材事業をさらに伸ばしていきます。新たにスタッフを数人増やし、成長スピードを上げていく考えです。
- 野球が上達する小・中学生の共通点 成長妨げる保護者のNG言動
■伸びる選手に不可欠 「情熱」と「向上心」 野球塾で小・中学生の指導をしていると、伸びる選手には共通点があると感じます。絶対に欠かせない要素が、「情熱」と「向上心」です。ありきたりに聞こえるかもしれませんが、「野球が好き」、「今よりも上手くなりたい」という気持ちが強い選手は自然と成長します。 最近は、指導現場で「自主性」という言葉をよく耳にします。自主性のある選手は上達し、指導者は選手の自主性を育む教え方や接し方が重要といった指摘です。私が実際に選手たちを指導して感じるのは、情熱や向上心があれば、指導者が多くの言葉をかけなくても選手は自主的に動きます。成長する選手は野球塾で「上手くなるヒントをつかみたい」、「限られた時間の中で1球でも多く打ちたい」という姿勢が表れ、自宅に帰れば自主練習しています。 私たちの野球塾は選手に宿題は課しませんが、現状の課題と改善方法は伝えます。伸びる選手は自宅で復習しています。次に会った時に動きを見れば、復習したかどうか、すぐに分かります。自主練習を継続する選手の中には数カ月、半年で驚くほど上手くなるケースも多いです。 どれだけ野球が好きか。努力を続けられる要因は、そこに尽きると思います。活字が嫌いな子どもたちも、好きなゲームを攻略する方法を知るためなら、難しい文章でも必死に読もうとしますよね。野球が上手くなりたい気持ちがあれば、自ら練習する時間をつくります。 練習は「質」も大事ですが、ある程度の「量」は不可欠です。特に、小・中学生の年代はバットを振る強さや感覚がベースとして身に付いていないと、技術の習得に時間がかかります。技術的な説明を頭で理解していても、振る力がなければ体で表現できない状態に陥ってしまいます。 ■選手の成長に重要な保護者の役割 「口の出しすぎ」に注意 選手の成長をサポートするには、保護者の役割も重要です。伸びる選手に共通点があるように、選手の意欲や上達を妨げてしまう保護者にも共通点があります。まずは、過剰に関わっているケースです。私たちの野球塾に来ても、チラチラと一緒に来ている保護者の方を見て、顔色をうかがいながら練習している選手がいます。 保護者があまりにも口を出すと、選手は怒られないようにする動きや考え方がクセになってしまいます。練習をやらされているので楽しくなさそうですし、試合でも消極的なプレーになりがちです。また、指導者と保護者の間で選手に伝える内容が大きく異なると、選手は板挟みになって戸惑います。自分のお子さんに関心を持つのは親として自然なことですが、すぐに何でも指摘せず、選手の成長を見守る意識を持つと、大人が想像する以上に子どもたちは上達するはずです。 それから、周りの選手との比較も成長を妨げる原因となります。「あの子みたいに練習しなさい」、「あの子みたいに打ってみたら」といった発言は、選手のやる気を損ないます。野球塾でも耳にする時が少なくありませんが、比べるのであれば「自分のお子さんの過去」を比較対象にしてください。「1カ月前よりスイングスピードが速くなったね」、「家に帰ってからバットを振る習慣が身に付いたね」と、変化した点を褒めてほしいです。 打撃は1日、1週間で打てるようになるほど甘くありません。試合で我が子が凡退する姿を見ると、保護者としては色々と言いたくなるかもしれません。でも、ぐっとこらえて、お子さんが今よりも野球を好きになる言葉や、上手くなりたいと前向きになる言葉をかけてください。成長の速度には個人差はあっても、誰もが必ず上達します。 石川校は2026年1月にオープン ■2026年1月に開校 地元・石川県に新たな野球塾 私が代表を務める「Ring Match」では現在、名古屋市で野球塾「Amazing」を運営しています。来年1月5日には、石川県小松市に新たな校舎も開設します。 石川県では今まで何度も野球教室を開催し、野球熱の高さを感じていました。野球教室の回数を重ねるうちに、自分が生まれ育った石川県に野球塾を常設したい思いが強くなり、今回の開校に至りました。私が塾長を務め、小・中学生を対象としています。塾生の募集を開始したので、「もっと野球が上手くなりたい」選手は、ぜひお越しください。











